旅 |
高エネ研 宿舎の目覚まし 先に鳴り わずかな仮眠を 誰そゆるさじ(2012.11.5)
雑用には 安易におりる 出張費(2009.8)
新幹線 昔の旅宿 確認し(2009.8)
新大阪 なかなか空かない 駅トイレ(2009.8)
右腕かばい 今度は痛い 左腕(2009.8)
中津から 地下に潜った 御堂筋(2009.8)
金欠で 棚上げしておる 実験が 人類救うと 説く吾哀し(2009.8)
転居した 識らぬ町にて 徒歩通勤 不意に聞こえる 盆踊りの音(2007.7)
有料ビデオ観る暇もなし深夜着
タラップで 携帯切って 腕時計す
晩秋の 明朝向かうは SPring(春)-8
すぐそこの 高速までに 小一時間
一日の 仕事に疲れた 顔顔顔 気ままな車の 旅ぞ恋しき
新幹線 帰りはパソコン しまわれて 弁当ビールで サラリーマン寝る
御堂筋 おおきに、の声 暖かし
おおきに、の 声聞き心も 軽くなり
新幹線 携帯パソコン 競い合う
中央道 薄暮に煙る峰々を 渋滞車両は 見看りもせず
方言を 思い出した頃 東京に戻る
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自然・季節 |
ていねいに 水遣り直後の 土砂降りかな(2012.10.4)
連休の 房総借家に ポピー咲く(2010.5)
台風で 倒され哀れ 彼岸花(2009.8)
秋の日の
芝生かすかに 鈴虫の音
晩秋の 澄んだ空気を 抜けてゆく 陽光北風 響く虫の音
蝉の声 鈴虫の声 やがて冬
久し振り 芝生で弁当 広げると 自然の緻密さ はっと驚く
リサイクル 節分の豆も 回収し
年増だが 水着美人に 気をとられ クラゲに刺されて 腕腫れ上がる
昨年は イラクに寄り添い 散った桜 今年は雨で 孤高に散り往く
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魅惑・モード |
脚組むなら もっと痩せろよ 女子高生
冷たい雨に 周到対応 モード冬服
揺れる電車 化粧にいそしみ 揺れるアイシャドゥ |
青春 |
ウン十年前 同じ時刻に ラジオ体操
高らかな 応援の声 チアガール 賑わう日吉で バイト講義す |
酒 |
如月は 研究進まず 酒進む |
研究 |
森口は 尻尾切りかも iPS(2012.10.18)
研究の ネタにしようと 持ち帰る 本開かれずに 休日過ぎ行く(2008.9)
請求書 焼け石に水 助成金(2008.8)
乗り継いで 講義に向かう 日吉駅 特急止まらず 定時遅れる
ナアナアで 動かないのが C言語 化学の世界の 寛容さに似ず
書類書き 気付いてみたら 25時半
New single 全然売れない 大物歌手 無能教授も 過去だけ自慢し
最期まで 嘘つき通した 大先生 あの世で同情 遺跡の藤村
最期まで 嘘つき通した 大先生 あの世で同情 ナノテク・シェーン
いつまでも データにならぬ 測定は 試料が悪いと 人のせいにし
苦労した 実験データ 放置され 同じ実験 あとでまたする
下手すると マスミになりそな わが学生 実験試料の 毒素をこぼす
直接会うと 眼で挨拶程度の 間柄 電子メールで 激しく議論し |
キャンパス |
駐車場 いつまで休む 営業マン(2020.12.21)
ジャンクメール ジャンク会議に ジャンクデータ いっそ作れよ ジャンク大学
審議待ち 根回ししとけよ バカ教授
雑用の メールをやり取り 日が暮れる
勤務時間は会議と講義で丸つぶれ 放課後やっと研究始める |
ハイテク |
ケータイ越し 遊び自慢で 声弾む吾が子(2009.9)
携帯で
短歌を練って 送るより 研究練れと 我に言いたい |
疫病・災害 |
福島の3K労働のオジさんに同情して詠める「休憩中 一服しても 注意され」(2011.6.16)
鳥農家 あの世で後悔 不衛生
衛生所は 浅田の遺体も 解剖し |